
大切なのは意志…(38歳 准看護師)
Kさんと初めてお会いしたのは2011年の5月中旬でした。5月初旬に新規でご登録を頂き、まずはお電話で現状をお伺いしたところ、約4年半のブランクがあるが、一念発起して看護の現場へ戻りたいとのことだった。
看護師さんであれば、特に女性なら結婚や出産という事情により一時的に離職し、子育てが一息ついて現場へ戻るということはよくあります。現在はこうした復職者を寛容に受け入れた下さる医療機関も多く、私がこれまでに担当した看護師さんにも数年のブランクを経て復帰される方は何名かいらっしゃいました。 しかし、Kさんについては電話でお話しした時点から、一筋縄ではいかないことが容易に想像できました。それは、Kさんが男性であること、年齢が38歳、所有する資格が准看護師であることが理由です。
現在、日本で正看、准看含め看護師資格を持っている方は140万人ほどいらっしゃいますが、その中で男性が占める割合は、わずか5%程度にすぎません。最近は看護師を目指す男性が増え、医療機関で活躍する方も多くなりましたが、依然として看護の現場は女性が中心の職場です。男性看護師が活躍できる場所は手術室や透析室などが主であり、患者さんの中には男性に体を触られたくないとお考えの方もいらっしゃるそうですし、いまだに男性看護師を受け入れる環境が整っていない医療機関も多く存在します。特に九州においては関東や関西に比べるとその環境が大きく劣っています。
また、一般病棟、特に急性期に力を入れている医療機関の求人は、正看護師のみとなっているところも多くなってきています。そのため、38歳の男性で准看護師、しかも4年半にも及ぶブランクがあるKさんを受け入れて頂ける医療機関は非常に少ないという現状です。 面談を前に複数の医療機関へKさんを受け入れて頂けるかどうかの確認を行いましたが、結果は想像通りのものでした。ほとんど紹介先を見つけることが出来ず、面談当日を迎えることになりました。
通常、私たちが看護師さんとお話しをする際、学歴と経歴の確認を行います。特に経歴については、在籍した部署や勤務内容、退職理由などをこと細かくお伺いすることで、それまで何をしてきたか、これから何をしたいのかを明確にしていきます。 今回のKさんについては、最も重要になることとして3点に絞って面談を進めました。その三つとは、一つはなぜ離職したのか、次にどうして復職しようと思ったのか、最後に将来の自分がどうなりたいのか、です。 経歴を一通り確認した後、4年半のブランクの理由を伺いました。Kさんは准看護師免許を取得後、精神科病院の内科病棟で8年、看護助手時代も含めると10年、同じ病院の同じ病棟で一貫して勤務していました。当時のKさんは現場でリアルタイムにおきる病院内の様々な出来事に対し、常に真正面から全力でぶつかるため、看護の仕事に余裕がなくなり、それが私生活にも影響を及ぼすほど精神的な悩みを抱えていました。やがて患者さんと接することに恐怖感を覚え、実際に病棟で看護にあたることとが出来ない状態となり、最終的に10年も勤めた病院を退職、働きながら看護学校の高看コースを卒業、正看取得資格を得ていたにもかかわらず、それも断念してしまいました。 その後は、4年半にわたり職を転々としながら、全国を放浪する日々を送っていました。この放浪の中で全国の様々な人と接して、看護師として働いていた自分に足りないものに気付いたそうです。それは、物事を様々な角度から見る柔軟性、マニュアル通りではなく、患者さん一人一人にあった看護、そして、イヤなことから逃げる自分、とKさんは仰いました。だからこそ、看護の現場に戻ったら、常に明るく自分から患者さんに声をかけ、病気で苦しむ人たちを励ましてあげたい。一人一人の患者さんにゆっくりと時間をかけて看護ができる職場で働きたい。そう思うようになったそうです。
当初、Kさんへの医療機関の紹介は年齢や免許により難しいものになると思っていましたが、実際に面談し、お話しを伺ったあとは必ず紹介できるという確信に変わりました。それは、Kさんに明確な意志があったからです。 転職をするうえで最も必要なものは看護師さんそれぞれの意志です。何をしたいのか、どうなりたいのか、それぞれに様々な希望をお持ちだと思いますが、実際に自分自身が良い職場に巡り合うためには自分自身を理解することも必要です。私たちeナースのコンサルタントが必ずすべての看護師さんと実際にお会いし、お話しを伺う理由はこの意志を明確にするためでもあります。 看護師さんそれぞれの意志を明確なものとし、その方にあった職場をご提案、ご紹介するのが私たちコンサルタントの使命です。自身の意志が明確なKさんへは以前に経験のある精神科病院をお奨めしました。ブランクがあるときは少しでもリスクを少なくする、例えば、通勤アクセスが近い、経験している分野へ戻る、まずは日勤や時短の勤務から始めるといったことが必要だからです。精神科病院での面接はすでに自分自身をはっきりと理解しているため、受け答えもスムーズで無事に終了、その場で内定を頂くことができました。
看護師の皆様も様々な悩みを抱えて仕事をしていると思います。自分がどうしたいのか、これからどうなりたいのか、少しでも迷ったときはいつでもeナースのコンサルタントにご相談ください。私たちは、ただ仕事を紹介するだけではありません。皆様の思いを受け止めて、それを具体化するお手伝いをする転職サポートのプロフェッショナルです。







